情報セキュリティ

DMARCって何?
メール詐欺から会社を守る設定を、わかりやすく解説

2025年5月28日 読了約7分 rakuit 編集部

「うちの会社のメールアドレスから詐欺メールが送られているらしい」「取引先から不審なメールが届いたと言われた」——こういった相談が中小企業から増えています。

この問題を根本から防ぐ仕組みが DMARC(ディーマーク) です。難しそうに聞こえますが、設定の考え方はシンプルです。この記事でわかりやすく解説します。

この記事でわかること:DMARCとは何か、SPF・DKIMとの関係、3つのポリシーの違い、設定の流れ

そもそも、なぜメール詐欺が起きるのか

メールには「差出人アドレスを自由に偽装できる」という根本的な欠点があります。たとえば、攻撃者が info@yourcompany.co.jp を騙って顧客に請求書を送ることが、技術的に簡単にできてしまいます。

これを防ぐために生まれたのが、SPF・DKIM・DMARCという3つのメール認証技術のセットです。

SPF・DKIM・DMARCの関係

SPF(送信者ポリシーフレームワーク)

「このドメインからメールを送っていいサーバーはここです」とDNSに登録する仕組みです。リストにないサーバーから送られたメールは「怪しい」と判定されます。

DKIM(ドメインキー識別メール)

メールに電子署名をつける仕組みです。受信側で署名を検証することで、メールが途中で改ざんされていないかを確認できます。

DMARC(ドメインベースのメッセージ認証)

SPFやDKIMの認証に失敗したメールを「どう処理するか」のポリシーを定めるのがDMARCです。また、認証結果のレポートを受け取ることで、自社ドメインの使われ方を把握できます。

重要:SPFとDKIMを設定せずにDMARCだけ設定しても効果が薄いです。3つはセットで機能します。まずSPFとDKIMを確認・設定しましょう。

DMARCの3つのポリシー

DMARCには認証に失敗したメールへの対応を指定する「ポリシー」があります。

ポリシー意味おすすめ度
none 何もしない。レポートを受け取るだけ。まず現状把握に使う。 導入初期
quarantine 認証失敗メールを迷惑メールフォルダへ。段階的に強化するときに使う。 推奨
reject 認証失敗メールを完全に拒否・削除。最も強力だが、設定ミスでリスクあり。 慎重に

設定の流れ(全体像)

1

SPF・DKIMが設定済みかを確認する

メールサービス(Google Workspace・Microsoft 365等)の管理画面、またはDNSレコードを確認。未設定なら先に設定します。

2

DMARCレコードをDNSに追加する(policyをnoneで)

まずはレポートを受け取るだけの設定から始めます。ドメインのDNS管理画面にTXTレコードを追加します。

3

レポートを確認して現状把握する

数週間レポートを受け取り、どのサーバーから自社ドメインのメールが送られているかを把握します。

4

ポリシーをquarantineまたはrejectに変更する

問題がないことを確認してから、段階的にポリシーを強化します。

DMARCレコードの例

DNSに追加するTXTレコードはこのような形式です(_dmarc.yourdomain.co.jp に設定)。

# まず様子見(noneポリシー) v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc-report@yourdomain.co.jp # 迷惑メール扱いに(quarantineポリシー) v=DMARC1; p=quarantine; pct=100; rua=mailto:dmarc-report@yourdomain.co.jp # 完全拒否(rejectポリシー・慎重に) v=DMARC1; p=reject; pct=100; rua=mailto:dmarc-report@yourdomain.co.jp

rua= の部分はレポートを受け取るメールアドレスです。専用のメールアドレスを用意しておくと管理しやすいです。

設定前に確認すること

これらを把握してからDMARCを設定しないと、正規のメールが誤って拒否される可能性があります。

まとめ

DMARCはメール詐欺を防ぐ重要な設定ですが、SPF・DKIMとセットで段階的に設定することが大切です。最初から強いポリシー(reject)にしてしまうと、正規のメールが届かなくなるリスクがあります。

「自社のドメインのDMARC設定がどうなっているか確認したい」「設定を手伝ってほしい」という場合は、rakuitにご相談ください。

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